「自分の立ち位置を確立するためには、時にはやりたくないこともやらなければならない」

ロンドンを拠点に活動するガレス・カッタモールは、12年以上に渡りゲッティイメージズの専属フォトグラファーとして活動している。ファッションやポートレート写真を得意とし、パリやニューヨークで開催されるファッションウィークやカンヌ、ローマ、ロンドン国際映画祭など、世界中のイベントに出席し撮影を行っている。ガレスのクリエイティブな撮影眼とポストプロダクションは、一際違った視点を提供し、私たちに驚きと興奮をもたらす。

今回ガレスに、写真家としてのキャリアについてインタビューを行った。

 

Q&A

-写真家を目指したきっかけは何でしょうか?

私は机に向かって学校の勉強をするのが嫌いで、美術の授業や外で遊ぶのが好きでした。学校の先生が写真を教えてくれるまで、美術以外の授業にものすごくストレスを感じていたんです。

イギリスのウェストハーツ大学でBTEC(英国国家職業資格付与団体)のクラスを受講していた最終学年の時、たまたま両親と買い物に出かけました。その時父が、「British Journal of Photography」(1854年から続く写真雑誌)を手に取り、そこに「Big Pictures」(英国のパパラッチ写真エージェンシー)の求人広告が掲載されていました。私は乗り気ではありませんでしたが、両親は「自分の立ち位置を確立するには、やりたくないこともやらなければならない」と話しました。そこで、私は面接を受けに行ったのです。そして、なんと採用されたのです。私にチャンスを与えてくれたことにとても感謝しています。私は毎日写真を撮影したかったので3年間は様々な場所に行き、パパラッチの写真家になるために多くのことを学びました。その後2002年に会社をやめ、それ以降ゲッティイメージズで働いています。

-キャリアで師事した人はいますか?また彼らから学んだことは何でしょうか?

師事した人は何人かいましたが、最も自分のキャリアで重要な写真家は、MJ Kimアンディー・ザケリです。二人とも、非常に優れた写真家です。

アンディーは、私のキャリアを手厚くサポートをしてくれる、オーストラリア有数のフォトグラファーです。Big Picturesで出会い、仕事でのストレスの発散の仕方や物事をうまく運ぶ方法などを教えてくれました。

MJ Kimはゲッティイメージズの先輩フォトグラファーであり、私が持っている技術や知識のほとんどは彼から学びました。たとえば照明などの技術面、クライアントへの対応の仕方です。私たちはいつも一緒に出張に行き、彼から戦略的に仕事をすることの大切を学びました。

また、両親は最も重要な人です。両親は常に私の決断を支持してくれます。初めは本当に大変で、楽なことばかりではありませんでした。しかし両親はいつも私の見方でいてくれました。

写真を教えてくれた師匠と両親がいなかったら、今日私はここにいなかったでしょう。

-仕事を始めた頃に学んだことは何でしょうか?

私はパパラッチの写真家として仕事を始めました。その時に学んだことが今でも仕事に活かされています。写真を撮影する技術を習得することはそれほど難しいことではありません。それよりも学ぶことは、どこで撮影するかです。あまり一般の人が見ることがないシーンを捉えることで、力強い写真が出来上がります。舞台裏で撮影している時は、撮影していることを意識させないよう、その場に溶け込むことが重要です。

また、両親のアドバイス「自分の立ち位置を確立するためには、時にはやりたくないこともやらなければならない」という言葉を理解できました。実は私はパパラッチになりたかったわけではありません。しかし、パパラッチになることでこの業界に入り、チャンスを得ることができたのです。それから、今はデジタルカメラやソーシャルメディアの普及により、誰もが写真家になれますが、私が仕事を探していた当時は印刷した写真のポートフォリオをいつも持ち歩いていました。初めての面接でもポートフォリオを使って仕事がもらえたので、その重要性も無視できません。

自分を過信することなく、経験豊富で尊敬すべき人からじっくり時間をかけて、謙虚に学ぶことも大切です。

-今も心に残っているアドバイスはありますか?

MJ Kimの「優れた戦略家であれ」です。思うに、戦略や計画が仕事の70%で、実際の撮影は残りの30%に過ぎません。世界一の技術を持つ写真家でも、ファッションショーの舞台裏で広報担当者がやっかいなことを言ってきた時はうまくできない。スタッフと良い関係を築いて人脈を広げること、そして優れたフォトグラファーは作品のみでは評価されないことを理解しなければなりません。写真撮影には多くのスタッフが関わるのですから。

-現在も写真家として学ぶことはありますか?

もちろんです。毎日学ぶことがあります。MJ Kimは、写真家は学ぶことをやめてはいけない、成功するために立ち止まってはいけないと口癖のように言っていました。

新しい技術や進め方を学び自分自身を高め、作品の質を向上させなければなりません。ゲッティイメージズには多くの先輩がいて、様々な方法でサポートしてくれます。

特にMJは今でも私のあらゆる面で師匠であり、これからもアドバイスを請うでしょう。彼は現在ロサンゼルスに住んでいますが、インターネットのおかげで頻繁に連絡を取っています。

その他にもYouTubeを見たり、新しい技術や機材に関するブログを読んだり、フォトグラファーに関する昔のドキュメンタリーやインタビューを観て、インスピレーションを得て学んでいます。


 

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