「試合に対する熱い思いと、写真に対する熱い思い」

アイスホッケーの第一線で、40年間に渡って活動している写真家、ブルース・ベネット。これまでに北米アイスホッケーリーグ(NHL)スタンレーカップ35試合、NHLオールスターゲーム26試合、オリンピックのアイスホッケーの試合180試合を撮影し、今年、累計撮影試合数5,000試合を達成した。 最近出版された写真集『The Hockey News: Hockey’s Greatest Photos: The Bruce Bennett Collection』では、ベネットが撮影した5,000試合全ての写真が収められ、アイスホッケー史に残る素晴らしい瞬間が記録されている。

 

Q&A

ー歴史に残る素晴らしいアイスホッケー選手のウェイン・グレツキーとマーティン・ブロジャーが、本の前書きを書いています。その経緯と2人との関係について教えてください。

ブルース・ベネット:私はグレツキーと以前から頻繁に顔を合わせていて、次第に彼のビジネスマネージャーのマイク・バーネットと親しくなっていきました。彼が主催するキャンプで毎年撮影し、常にお互いにプロフェッショナルな関係を維持しています。彼はとにかく素敵な人なんです。私の本の前書きを書いてくれないかとバーネットを通してお願いしたところ、「ブルースの為なら何でも引き受けるよ」と言ってくれました。この言葉を聞いた時は、本当に嬉しかったですね。

マーティン・ブロジャーとは、実は彼の父でモントリオール・カナディアンズの専属カメラマンをしていたデニーと、元々仲が良かったんです。直接マーティンに前書きを書いてくれないかとお願いしたところ、私の言葉を聞いて、彼は本当に喜んでくれました。アイスホッケーの試合を撮影する父の姿を見て育ってきた彼の経験を採り入れた、とても興味深い前書きになっています。

ーこれまで撮影した写真の中で、特に誇りを感じるものはありますか?

お気に入りの1つと言えば、1980年に決勝ゴールを決めたニューヨーク・アイランダースのボビー・ナイストロムが試合後に祝福しているところを撮影したものです。私もまさに、ニューヨークのロングアイランドで育ったので、この瞬間と個人的な感情を切り分けることが難しかったです。しかしプロフェッショナルに徹するために、個人的な感情を切り分けて撮影を行いました。結果的に印象的な素晴らしいモノクロ写真に仕上がりました。

 

「常に撮影できる機会に感謝しながらベストを尽くす」

ーアイスホッケーの試合を撮影する際には色々な制限があると思いますが、素晴らしいショットを撮影するためにどのような方法を取り入れていますか?

「知識と経験」が鍵を握っているのではないでしょうか。プレーヤーの次の動きがだんだん読めるようになれば、自分がいるべきポジションが分かるようになってくるため、失敗が少なくなります。例えばアレクサンドル・オベチキンは得点を入れた時、振り返って手を挙げながら反対方向にスケートするんです。

撮影の何パーセントかはミスしても仕方ありません。しかし目の前にあるものを撮れなかった時、「ゲームに集中していなかった」としか言いようがありません。自分がベストを尽くさず、他の人が自分よりも素晴らしい写真を撮った時ほど痛い思いをする時はないです。いや…パック(アイスホッケーで使うボール)が頭に当たった時の方が痛いかな? きっとそっちの方が痛いですよね!

ー40年間に渡って、興味を失うことなく新鮮味な写真を撮り続ける、その秘訣を教えてください。

ここ1~2年は、赤外線写真やカメラ内多重露光など新しいことに挑戦しています。それから、スコアボードやゴールネットのような面白い場所にカメラを取り付けています。創造力豊かな写真を撮ることがチームから許されているので、試合へ足を運ぶたびに、何か違ったことをして新しいものを生み出そうとする感情が燃え上がってきます。

ー既に大きな成功を収められていますが、これから達成したいと思っていることはありますか?

私が撮影した5,000試合には、NHLのレギュラーシーズンやプレシーズンの他に、国際試合、オリンピック、ワールドチャンピオンシップの試合も含まれています。今度はNHLの試合だけで5,000試合撮影することを目指したいです。私が仕事の時間でも個人的な時間でも大切にしていることは、「ターゲットを定める」ことです。狙うべき対象が明確でなければ、どこに焦点を当てればよいか分からないですからね。

5000試合ものアイスホッケーの試合を収めてきたブルース・ベネットの写真集:『The Hockey News: Hockey’s Greatest Photos: The Bruce Bennett Collection』を是非ご覧ください。

ブルース・ベネット

 

​ブルース・ベネットの写真に興味がある方は、Photos.com by Getty Imagesの特設ギャラリーも併せてご覧ください。