路線の対立、誹謗中傷、否定的な考えなどが政治で飛び交う今日、「政治とは何か」ということを私たちは見失いかけています。しかし、正しい政治のあり方にするためには、社会に刺激を与える指導者、私たちを立ち止まらせ考えさせる出来事、世の中に変化をもたらす人々の存在が欠かせないはずです。歴史を記録するためだけでなく、社会全体として進化するためにも、このような指導者、出来事、人々から生まれた瞬間を写真や映像に捉えることはゲッティイメージズの任務です。

「重要な瞬間をカメラに収めることは、特別であり難しいことです」と言う、ゲッティイメージズのエディトリアルコンテンツ・バイスプレジデントのパンチョ・ベルナスコーニ。「フォトジャーナリストの最大の役割は、そこにある世界を世の中に見せることだと思っています。各地で何が起こっているのかを捉えるために、地球上のあちこちへフォトグラファーを送り出しています。過去10日間は、ヒラリー・クリントンとドナルド・トランプの専用ジェット機にフォトグラファーを1名ずつ搭乗させました。1人は、和平交渉前のコロンビアの反政府ゲリラを撮影したカメラマンです。もう1人は、アメリカとメキシコの国境となっているリオ・グランデ川を太平洋岸からたどって撮影したカメラマンです」

「私たちの仕事の基本的な側面は、世界の一瞬の出来事を撮影し、より多くの人に、何が起こっているのか共有することです]

毎年、世界に大きな衝撃を与える瞬間が、一部の写真家によって捉えられます。六四天安門事件の直後に撮影された、戦車の行く手を遮る「無名の反逆者」(「戦車男」とも呼ばれる)の映像や、昨年撮影された、溺死してトルコの海岸に横たわる3歳のシリア難民アラン・クルディ君の遺体の写真は、グローバルに共有されなければ見過ごされてしまうような問題の認識を世界レベルで高める力を持っています。

Protester Blocking Tanks Approaching Tiananmen Square

 

TURKEY-GREECE-EUROPE-MIGRANTS

 

このような写真や映像は多くの人々の注目を集めますが、写真や映像自体が変化を生み出すことはできず、変化を促すのが限界だと言うベルナスコーニ。

「変化をもたらす主体や手段になることが、写真や写真家の役割ではありません。社会で起きていることを写真として記録するのが、私たちの仕事です。その写真を見て反応し、どんな行動をとるか決断するのは、社会の役割なのです。その場に居合わせて、知識、経験、感情を全て写真として構成することが、フォトグラファーの持つ力です。写真が共有され、人々の間で会話を展開させることができた時に、変化の力が生まれます。写真の素晴らしさをフォトグラファーが決めることはできません。写真が高みに上がり、公の言説の一部になるかどうかは、その写真に対する社会の考え方次第です」

共有された写真を見て人々が行動を起こして初めて、真の影響が出始めます。

「各自が持つ偏見や先入観は、物の見方と考え方の2通りで現れると思っています。写真は、真実の1/25秒を写したものに過ぎません。つまり、ごく一瞬を切り取った断片です」と、ベルナスコーニは言う。「写真を撮影したフォトグラファーにとって何か意味があっても、その写真が世界に広がると、各自が自分の視点を加えるようになりますが、これこそが写真の持つ力の1つです。良い写真はいくつもの人生を生きることができます。フォトグラファーによる最初の目的以外に、その写真を見た人がそれぞれ異なる目的を付け加えるようになるからです」

政治的な写真の素晴らしい点は、今日の会話を生むだけでなく、今後何年にもわたって影響を与え続けるところです。

「政治的な写真で捉えられた瞬間は、私たちの死後も生き続けます。ゲッティイメージズがアーカイブ写真を所有しているのも、そのためです。おかげで、100年前の写真を見て、今の私たちの心にどれくらい響くか知ることができます。この国や地球が今という瞬間に何をしているのかを、将来の世代に伝える手助けとなるのが、アーカイブ写真です。今日撮った写真も、明日にはアーカイブ入りになるのですから」

 

ゲッティイメージズの写真と映像で制作されたビデオ、『In Search of What’s Next(“次は何か”を求めて)』で、20世紀における大きな変化の瞬間をご覧ください。また、2016年米大統領選の特集写真は、ゲッティイメージズをご覧ください。