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音楽を取り入れる利点は、写真や映像などに紐付けが可能になる点です。これをうまく利用したのが、フォルクスワーゲンの『Walk Off The Earth』です。新型フォルクスワーゲン・ビートルの様々なパーツの音が使われたCMは、You Tubeで大きな話題になりました。多くのミレニアム世代(デジタルネイティブ)の若者がゴディエの「Somebody That I Used to Know」をカバーした曲を、YouTubeで再生しました(約1億5,700万回も)。音楽を画期的な方法で使い、フォルクスワーゲンが若年層のデジタル世代の関心を集めました。

しかし何より大切なのは、音楽によって視聴者との感情的なつながりが築かれることです。『The Music Instinct(邦題:音楽の科学)』の作者であるフィリップ・ボールは、次のように話します。

「ある種のノイズに対する人の反応は、あまりに深い影響を与えスイッチをオフにできなくします。映画プロデューサーはそのことを知っていて、音楽を人間の脳の論理部分に伝え、感情の中核へとまっすぐに到達させます。会社のブランドストーリーを語る時、映画制作のような気持ちを持つと良いと思います」

音楽でビジュアルを引き立たせ、広告を制作する6つのポイントを紹介します。

 

1.音楽がメッセージ性を高めているか?

まず問われるのは、映像の中の音楽の存在感です。その音楽は最も目立つ存在でしょうか。あるいは、映像に多くの会話が含まれる場合は、映像の一部だけで音楽を使用するか、バックグラウンドで流す方が良いこともあります。ここで2つの例を挙げて、それぞれのアプローチを紹介します。

チップトルのBack to the Startキャンペーンでは、ウィリー・ネルソンがコールドプレイの『The Scientist』をカバーした楽曲をアニメーションに乗せ、歌詞に語らせることで音楽を映像の中心に据えています。この楽曲の選択により、ブランドが持つ「自然への回帰を重んじる」価値観が伝わりました。この映像にナレーションは付いていませんが、歌詞が映像にうまく一致してメッセージが明確に伝わり、記憶に残る印象的な作品に仕上がっています。

これとは異なるアプローチを採用したクライスラーのHalftime in Americaキャンペーンです。BGMをクリント・イーストウッドのモノローグで綴らせ、さまざまなシーンの感情を映し出すようにしています。イーストウッドが、近年、米国全土を襲った景気低迷について語る間、背景に低音の旋律が流れます。そして、彼の悲哀に満ちた表情がやる気を見せた瞬間に、上向きの曲調が流れ始めます。音楽が「主役」ではないものの、作品が伝えようとするメッセージの重要な部分に注目を集めることに成功しています。

動画を使ったブランド広告の多くは、後者のようにナレーションに重ねたり、BGMとして音楽を使う方法が一般的です。成功の鍵は、音楽を使ってメッセージを強調することです。メッセージの妨げになってはいけません。そのため多くの場合、高品質で変化のある楽曲が使われます。

2.音楽をブランドの個性に合わせる

音楽をブランドの個性に合わせることは、顧客に伝えるメッセージを強化するのに有効です。リーバイスのOdysseyのスポット広告は、一見すると、「Freedom to Move」というキャッチフレーズを使ってジーンズを売り込んでいるように見えます。しかし、そこに描かれる描写からは、リーバイスをはいた人物は壁を打ち破り、境界を乗り越え、重力にさえも逆らうことができる、というメッセージが伝えられています。彼らはリベラルな一匹狼で、ドラマティックな音楽がこれを強調しています。

とはいえ、ブランドの個性を知らせるだけではまだ不十分です。重要な要素は、ターゲットにアピールすることです。どんなタイプの音楽を使うことがで、消費者に強くアピールすることができるのでしょうか。

3.映像の配信期間を設定する

映像を使ったブランド広告には、キャンペーンの一環や、イベントの開催前など限られた期間にだけ配信するものがあります。この場合、人気のある現代音楽が、人々に「旬」の作品という印象を与えます。一方、企業情報、使用案内、製品デモなどの頻繁には変わらない映像では、流行り廃りのない楽曲を使用するのが適しています。

4.類似性のある楽曲やアーティストのスタイルを検討する

映像を使ったブランド広告の企画段階で、すでに人気のある曲を使おうと考えているかもしれません。しかし、マーケティングの予算上、必ずしもビヨンセのような有名アーティストの最新トラックが使えるとは限りません。そのような時は、同じジャンルで、サウンドやスタイルがよく似たアーティストを探してみてください。ゲッティイメージズの音楽ライブラリーでぴったりなトラックを検索する方法は、気に入った曲の重要な要素やユニークな特長(ジャンル、ムード、テンポ、ボーカル、楽器など)を把握し、検索を掛けることです。

ゲッティイメージズの音楽リサーチチームが、お探しのアーティストやバンドと似たオリジナルサウンドを探すことも可能です。

5.プレイリストを作成する

ゲッティイメージズは、180,000以上の音楽トラックを提供しています。フィルター機能を使って、ジャンル、サブジャンル、ムード、ボーカルなどの条件で検索結果を絞り込んでください。

選んだ楽曲を追跡管理するには、「プレイリストの作成」というツールがあります。この機能を使用すると、関心のあるトラックを集めて最終決定するまでの間、保存しておくことができます。トラックを追加するごとに、音楽のテイストがどのように変化しているか知ることができ、候補のトラックを比較しやすくなります。また、プレイリストを共有すれば、映像制作に関わっている他のメンバーとのコラボレーションもできます。

6.必要なライセンスの種類を調べる

プロジェクトの開始時に映像の配信先を決めることで、最も適したライセンス契約方法を絞り込めます。選択したライセンスで必要な範囲が網羅されるように、映像が露出する可能性のあるすべてのメディア(展示会、YouTube、企業のウェブサイトなど)をあらかじめ考えておきましょう。

ライセンスに関してもうひとつ考慮すべきことは、トラックの独占使用権の取得です。

ポイント

  • 音楽の目的を考えます。ナレーションの印象を高めるのが目的であれば、高品質で、多様性に富んだ、インストゥルメンタルの音楽を見つけることが最適です。
  • ブランドの個性に合った音楽を選ぶことが第一です。しかし、既存の顧客と潜在的な顧客にアピールすることも視野に入れてください。
  • 映像の使用期間を考慮します。流行的な広告にしたいのか、変わらない価値を伝える広告にしたいのかで、音楽選びは大きく変わります。
  • 気に入ったアーティストやバンドがいるが予算内に制限がある。その場合は、ゲッティイメージズの音楽リサーチチームが類似性のあるトラックをお探しします。
  • 独自のプレイリストを作成すると、選んだトラックを社内外で共有して、コラボレーションやフィードバックに利用できます。
  • ビデオがどこで視聴されるかを知ることも、必要なライセンスを判断する際の重要なステップです。
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