ゲッティイメージズとD&ADがパートナーシップを組み、次世代のフォトグラファーを発掘することを目的として設置されたNext Photographer Award。開催2年目となる今年の応募作品は、どれも想像以上の素晴らしさで、審査員を驚かせています。

厳選を重ねた結果、3月末に18人の最終候補ノミネート作品が発表されました。審査員を務めるゲッティイメージズのクリエイティブコンテンツ・シニアバイスプレジデント、アンディ・サウンダースは、応募者たちの野心に圧倒されながらも次のように話しています。

「多くの参加者が達成しようと試みたスケールは、技術的にも哲学的にも非常に大きくて、感銘を受けました。厳粛なドキュメンタリーから、スタジオ撮影の静物写真、独創的なビジュアルまで、新たなカテゴリーを作らなければならないほどアイデアは多種多様でした」

 

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Laura Thompson, Senseless

エントリー作品の全てがユニークなスタイルを持ち、幅広い話題をカバーしています。その中でもサウンダースは、多くのフォトグラファーが今日の社会問題に焦点を当てていることに驚きました。

例えば、ニューヨークのブルックリンを活動拠点とするMichael Nigro(マイケル・ニグロ)は、2014年に黒人少年が警官に射殺された事件がきっかけで始まった抗議活動の「Black Lives Matter(黒人の生命だって大切だ)」が生み出している怒りや緊迫感を、彼のシリーズ「Escape From Freedom(自由からの逃走)」で表現しています。北京のYuyang Liu(ユーヤン・リュー)は、「At Home With Mental Illness(精神病と家庭)」というシリーズで、中国における精神病患者の日常生活を取り上げています。また、ロンドンのMelissa Arras(メリッサ・アラス)は、アフリカや中東から新天地の英国を目指し、フランス北部の港町カレーにある通称「ジャングル」という大規模な難民キャンプでの過酷な暮らしを、彼女のシリーズ「El Dorado(エル・ドラード 黄金郷)」で捉えています。

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Michael Nigro, Escape From Freedom

 「このようなトピックにスキルだけで取り組むのは難しいのですが、素晴らしい作品が本当にたくさんありましたよ。これらの写真を撮影したフォトグラファーは、作品に専念して深みを出せたからこそ、他より抜きん出ることができたと思います」と、サウンダースは話します。

審査プロセスでは、応募作品の持つ独創性に刺激を受けたというサウンダース。

「このコンテストの審査員を務めたことで、新鮮なアイデアこそが最高のアイデアだということに改めて気付きました。たとえ作品の出来上がりが完璧ではなくても、時間と経験を積めばそれを補えるようになるからです。写真を極めようとした彼らの努力が、とにかく印象的でしたね」

D&AD主催のNext Photographer Awardの最終受賞者は、5月19日にロンドンで開かれる授賞式、D&AD Awards Ceremony 2016で発表されることになっています。

 

D&AD Next Photographer Award最終候補者に選ばれた次世代のフォトグラファーの作品は、こちらをご覧ください